小田原・コワーキングスペース YURAGI ~「いこいの森」で人と自然に触れ合うフォレスト・ワーケーション~

何事も、体験してみなければ分からない魅力というものがあるようです。
主にレジャーは「海」派の私にとって、森や山でのワーケーションは、実はあまり馴染みの無い分野でしたが、今回はワーケーションイベントへの参加をきっかけに、その魅力の一端を知ることができました。

体験したのは、神奈川県西部の中核都市「小田原市」にある「コワーキングスペース YURAGI」と、隣接する自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー小田原」の施設を活用した「フォレストワーケーション」プログラムです。

「コワーキングスペース YURAGI」とは

コワーキングスペース YURAGI」は、小田原市いこいの森にあるキャンプ施設「RECAMPおだわら」内に併設されたコワーキングで、2021年8月に既存の交流施設をリニューアルする形でオープンしました。
小田原駅西口からバスで15分ほどの距離ですが、1時間に1本なので、事前にGoogle MAP等で時刻表と行き帰りの予定を確認して、計画的に行動することをオススメします。

バス停を降りたところから、公園内を5分ほど歩くと、キャンプ場「いこいの森 RECAMP おだわら」のエントランスに到着します。さらにそこからバンガローの横を抜けて、小川にかかる小さな橋を渡った先に「YURAGI」が見えてきます。
正直、車が無いと、アクセスはなかなか大変な立地です。

とはいえ、この遠さも気にならないほど「YURAGI」の周辺の自然環境は素晴らしく、利用した日は風も無く、暖かいお天気だったこともあり、「ワーケーション感」が高まってきました。

「YURAGI」では、屋内スペースはもちろん、屋外のデッキなどでもワークができる環境が整備されています。まずはWiFiに接続するために、屋内スペースを利用してみました。
木材をふんだんに使った建物内は、それだけでも「来てよかった!」と思えるような非日常感を感じられます。

コワーキングスペース「YURAGI」の室内

WiFi設備は、セキュリティ度の高い設定で、企業ユーザが接続するにも安心なスペック。
接続スピードも問題なく、非常に快適なネットワーク環境が屋内外で提供されています。

セキュリティが高く安心
WiFiは高速で安定接続

屋外に出ると、横を流れる小川に面して、電源も完備された6区画のウッドデッキがあり、一般利用の場合はこちらから事前に予約をすると、1区画を専有で利用できます。
パソコン作業に便利なキャンプ用のテーブルとチェアも無料で貸し出しされていて、小川のせせらぎや鳥の声を聞きながら、とても心地よくワークができます

ウッドデッキでのお仕事は気持ちがいい!

ウッドデッキから敷地内を撮影すると、こんな雰囲気でした。

「YURAGI」の屋外ウッドデッキの雰囲気

今回のワーケーションツアーでは、午前中は自由参加で、YURAGI内でリモートワークができるため、私はAM9:30くらいに現地に到着してお仕事をスタートしました。
徐々に他の参加者の皆さんも集まってきて、それぞれが思い思いの場所でのワークを楽しんでいる様子でした。

「YURAGI」前面のオープンデッキでもお仕事できる

この日は、前日に行った取材原稿のまとめやSlack対応、Twitterでの発信などをこなしました。
同じ室内では、今回のイベントを企画された小田急電鉄の社員の方々が、ビデオ会議などをされていました。

小田急電鉄が取り組む「小田原ワーケーション」

今回のイベントは、小田急電鉄株式会社が2022年5月末まで実施している企画で、ワーケーションを通じて小田原の魅力を再発見する実証実験「小田原ワーケーションのイベントの1つとして開催されました。(プレスリリースはこちら

小田急電鉄の「小田原ワーケーション」ホームページ

ホームページ内ではイベント情報だけでなく、小田原市内で利用できるワークスペースの情報なども提供され、その多くがサイト内から予約や決済も可能なワンストップサービスとして提供されています。

私は今回、そのイベント企画の1つ「フォレストワーケーション」に一般参加者として申込みましたが、小田急電鉄さんのご厚意により、取材企画として参加をさせて頂くことができました。

「フォレストワーケーション」イベント

午前中のワークを終え、ランチの後は、お楽しみの「ガイド付き森林散策ツアー」と「ジップライン体験」です!

樹齢300年の森にふれるツアー

午後のプログラムを提供してくださるのは、冒頭にも紹介した、自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー小田原」のスタッフの方々です。

パーク内には「日本最大のディスカバリーコース」があり、すべてを体験すると約2時間のコースとのことで、今回はそのエリア内を、ガイドさんの案内で散策し、最後に一番長い「ジップライン」を滑り降りて帰ってくるというワクワクなプログラムでした。

まずは参加者全員が集合して、ガイダンスと簡単な自己紹介からスタートです。

案内役は、フォレストアドベンチャーのスタッフの鈴木さんと、森林インストラクターのひでさんのお二人。
私有林の敷地内を散策しながら、さまざまな植物の香りや知識を伝授してくれつつ、適度なスピードで森の中を上り下りすることで、ちょうどいいエクササイズの爽快感を感じることができました。

植林された森にはめずらしい、樹齢300年の杉モミの木などが残るこの一体では、森との共生を目指したアクティビティを行うことで、林業だけでは難しい私有林の維持管理を実現してゆこうという挑戦が行われています。
敷地内には「ジップライン」や「フォレストバイク」などのアクティビティのほか、水力発電や大規模太陽光発電所などの設備も設置され、そこで得られた収益の一部を森林整備費に充てる形で運営されているそうです。

樹齢300年を超える杉が残る森

それでも最近は、手入れがされなくなった農地などに笹がしげり、イノシシやシカなどの獣害が悩みだそうで、ワナ猟などの後継者も育成しながら、森を守る努力が続けられていることを、散策を通じて学ぶことができました。

普段、さまざまな仕事を通じて社会に貢献している参加者さんたちですが、こうして自然の中に入り、自分たちが暮らしているこの国の自然の大切さを、自らの五感を通じて感じ取ることができることは、ワーケーションを通じた大切な学びの機会になったと思います。

最後は楽しくジップライン体験!

1時間ほどの散策を終えたら、ラストは「ジップライン」で森の中を駆け抜けるドキドキの時間です。スタッフさんの助けを借りながら、各自が器具を装着してゆきます。

ここでスタッフさんから「終点の到着時に上手に着地しないと、お尻が汚れちゃいます」という恐ろしい情報が(笑)
若者たちに混じって参加している、体力に自信が無くなりつつある(私を含む)おじさんたちは戦々恐々です。何とか回転せずにまっすぐに滑り降り、服を汚さずに着地するために、全集中の呼吸で臨みました!

前をゆく若者たちの滑りや着地を見つつ、頭の中で何度もシミュレーションしますが、まったく自信が持てません
でもこんな不安も、たまにはいいかと覚悟を決めて、いよいよ私の順番が来て、スタートしました!!

完璧に着地した参加者さん

私の着地がどうだったかはご想像にお任せしますが、残念ながらこのような軽やかなステップでとは行きませんでした。それでも全員が無事に怪我なく終え、たくさんの笑顔や会話が飛び交う、楽しいひとときを過ごすことができました。

最後に、全員から今日の感想をシェアして、楽しかった「フォレストワーケーション」イベントは終了となりました。

イベントは無事に終了(写真は小田急電鉄様ご提供)

「コワーキングスペース YURAGI」の施設レビュー

「コワーキングスペース YURAGI」のレビュー
立地条件・アクセス
 (3.5)
デスク・チェア環境
 (4)
WiFi/ネット環境
 (5)
設備充実度
 (4)
コストパフォーマンス
 (5)
バケーション的な魅力
 (5)
総合評価
 (4.5)

JR小田原駅は、JR/新幹線/小田急電鉄が乗り入れるターミナル駅ですが、そこからバスで15分+徒歩10分ということで、アクセスにはやや課題もありますが、それをカバーして余りある自然の魅力がある場所です。
デスク・チェアはキャンプ向け的なもので、充分に快適です。ネット環境は文句なし。この環境を「1日1,100円」で利用できることは魅力的だと思います。
バケーション面では、ご紹介した「フォレストアドベンチャー」に加えて、「いこいの森」内のキャンプ場も利用でき、泊りがけでも楽しめます。
総合評価も4.5で、自信を持ってオススメできるワーケーション施設です

今こそ「人と自然に触れる大切さ」を実感

これまで体験する機会が少なかった、森や山でのワーケーションは、とても楽しくリフレッシュできる体験でした。
今回ご紹介したイベントは、小田急電鉄の「小田原ワーケーション」チームが企画してくださった素晴らしい内容でした。

施設のプログラムを活用すれば、個人で同様のワーケーション体験を得ることも可能かと思いますが、やはり家族だけでなく、新たに出会う他の参加者さんと共に体験できるイベント型ワーケーションプログラムは、自然が与えてくれるパワーに加えて、人との出会いがくれる心の暖かさを感じることができる体験でした。

リモート勤務が続き、人が集まる機会も減り、新しい出会いが減っている今だからこそ、「小田原ワーケーション」のイベントに参加して、私と同じ大切な体験をされてみてはいかがでしょうか?

「小田原ワーケーション」紹介動画