根府川・海の見えるワーケーションハウス「U」~小田原移住者たちと「これからの暮らし方」を考えるワーケーション

新たなワーケーション施設が生まれるきっかけの1つが「歴史ある建物を活かして、地域外の人々を呼び込みたい」という地元民の想いです。
小田原市に誕生した海の見えるワーケーションハウス「U(ユー)」は、旧片浦支所として運営されていた施設が閉鎖となり、取り壊して駐車場となる予定だったところを、何とか残して活かせないかという地域の人々の想いが形となったワーケーション施設です。
今回は、小田急電鉄の「小田原ワーケーション」実証実験の企画に参加する形で、正式オープン前の「U」を体験利用してきた様子をお届けします。

海の見えるワーケーションハウス「U(ユー)」とは

海の見えるワーケーションハウス「U(ユー)」は、小田原市の支所として使われていた築70年近い木造の建物を、「歴史ある建物の雰囲気やノスタルジーを感じる空気感」を大切にする形でリノベーションされ、2022年6月1日にオープンしたワーケーション施設です。

改札の向こうに相模湾の海が広がる絶景のロケーションに建つ昭和レトロな根府川駅

最寄りの「JR東海道本線 根府川(ねぶかわ)駅」から徒歩3分ほどですが、少し高台にあるため、階段を登るルートですので、歩きやすい服装で行き、まずは荷物は少なめがオススメです。

階段を登り終えると、すぐに「U」の美しい建物が見えてきます。

白い壁が青空に映える「U」外観

正面にあるブルーの「のれん」をくぐって室内に入ると、役所時代に使っていた石づくりのカウンターをそのまま残しつつ、現代人の感性にも合うデザインで統一された室内に、思わず目を奪われます。

「U」の企画・運営は、株式会社文祥堂が担当します。
施設を共に盛り上げたい「協業パートナー」を募集されていますので、ご興味がある方はこちらのお問い合わせフォームからコンタクトしてみてください。

1階はドロップイン利用も可能なカフェ風スペース

1階フロアには、カフェのような雰囲気の木製のデスクとチェアが並び、ドロップイン利用も可能なコワーキングスペースとして利用されるそうです。
また奥の窓の外にはオープンデッキのテラスがあり、ここでもワークができるようになっています。午前中は日当たりがあるものの、午後には建物の陰に入るため、遠くに海を見ながら、心地よくワークできそうなスペースです。

地元・小田原産の木材を使って古い建物を構造的に補強しつつ、地元の宮大工さんが考案した、釘を使わない「筋交(すじかい)装飾」によって、室内の雰囲気とデザイン性がぐっと上がっていることを感じます。

WiFiも爆速で、室内はもちろん、テラスや周辺スペースでも、滞在中の業務に支障を感じることは一切ありませんでした。

1階の角にはキッチンスペースもあり、入居者がカフェ営業などができるように想定しているとのこと。
また、小田原のスズアコーヒー店と共同で開発した「ワーケーションをテーマにブレンドしたコーヒー」は、柑橘系の爽やかな酸味で、「U」の利用者だけが頂くことができるそうです!

2階はメンバー専用の絶景ワークスペース

階段から2階に上がると、そこはまた少し違う雰囲気のワークスペースでした。こちらは月額会員専用のスペースとして運用される予定だそうです。
高い天井と大きな窓の外には、周囲の木々の緑が目に優しく、1つ1つの家具にもこだわったインテリアは、長時間のワークでも疲れを感じない快適な空間作りで、細部まで運営者さんの気遣いを感じる室内となっています。

2階に上がってすぐの場所からの様子

この日は、小田急電鉄が22年5月末まで実施していた「小田原ワーケーション」のイベント、「海が見える絶景コワーキングdeワーケーション!」が開催されていました。
朝10:30の集合時刻には、すでに何名かの方が到着されていて、「U」への注目度の高さが確認できます。

参加者全員が集合して、イベントの流れやUの説明、自己紹介などからスタート

イベントの参加者は合計で30名近くで、小田原に移住してきたばかりの若いご夫婦や、大企業の社員さん、ITスタートアップの方や、小田急電鉄の社員さんなど、多種多様なメンバーがワーケーションイベントを通じて交流し、1日を終える頃にはかなり仲良くなって、FacebookやInstagramでつながる様子がちらほら見られました。

一番奥には、靴を脱いで上がれる座敷スペースもあり、窓からは海を見渡せる絶景が広がります。

「神奈川ワーケーションNavi」では以前、「小田原ワーケーション」の別のイベントを取材した「コワーキングスペース YURAGI」の紹介記事もありますので、あわせてお読み下さい。

小田原・コワーキングスペース YURAGI ~「いこいの森」で人と自然に触れ合うフォレスト・ワーケーション~

1階には宿泊スペースも併設!

再び1階に戻り、キッチン横の通路を奥に進むと、なんとそこは宿泊スペースが!
1組限定で利用できる広々として個室で、室内にもデスクとチェアなどが完備され、窓の外には広いお庭が広がります。

1組限定で滞在もできる個室宿泊ルーム

周辺にコンビニなどが無いため、かなり本格的な調理ができるキッチンや、大きめの冷蔵庫もあり、長期滞在も可能そうです。

シャワーや洗面台などの水回りも新しくて快適そうです。
そして洗濯機置場の奥には、「一人用サウナ」も完備されているではありませんか!
最近、サウナ・ワーケーションも大人気ですので、これはポイント高いです。

「U」を運営する文祥堂の担当者さんのよると、現時点では「月額会員さんが同伴した場合のみ宿泊可能」とのことですが、いずれは会員以外への利用開放にも期待したいところです。

今後は食材の調達やお弁当の取り寄せなどにも対応してゆきたいとのことでした。また個室の奥にある広いお庭では、焚き火にもチャレンジしてみたいとのことで、ワーケーション施設としての楽しみの要素もドンドン追加されていくようです!

根府川の周辺を散策

ワーケーション滞在では、施設内でのワーク環境と同様に、周辺地域での余暇も重要な要素です。
この日は、イベントの主催者である「小田原もくもく・ワーケーション会」の渡辺さんの案内で、「U」がある根府川地域をゆっくりと散策してみました。

高台にある「U」から、根府川の海岸沿いに向けてお散歩スタート!

5月下旬のこの日は、夏を思わせるような太陽が照りつけ、小田原の美しい空と海と森の風景を味わいながらのお散歩です。
途中に、鉄道ファンには有名らしい赤い鉄橋「白糸川橋梁」を眺めながら、カラフルなコントラストを楽しむことができました。

「U」から15分ほど下ると、国道沿いにある「湘南メンチ 精肉工場直売所」に到着です。
店内では、ケースに並ぶメンチカツを選び、その場で揚げてくれます。10分ほど待ちますが、その分、アツアツのメンチカツを頂くことができます。ビールなどのドリンクも提供されているので、店舗の前の立食スペースや、らせん階段を登ったお店の屋上にある休憩スペースで、参加者同士で思い思いに会話をしながら楽しむことができました。

帰りは上りですが、少しキツイ階段を避けて、ゆるやかに登る坂道を歩きます。
途中、小川の流れや、眼下を走る新幹線などを楽しみつつ、約1.5時間の散策を終えて「U」に戻りました。
この散策を通じて、参加者同士のコミュニケーションが促進され、さらに仲良くなったり、仕事面での連携の可能性を話したり、とても有意義な交流の時間になりました。

「ワーケーションハウス「U」」の施設レビュー

ワーケーションハウス「U」のレビュー
立地条件・アクセス
 (4)
デスク・チェア環境
 (5)
WiFi/ネット環境
 (5)
設備充実度
 (5)
コストパフォーマンス
 (4.5)
バケーション的な魅力
 (4.5)
総合評価
 (4.5)

JR根府川駅は、小田原から2駅の立地ですが、都内や横浜からは少し遠く感じるかも知れません。
その場所に、まだスタートしたばかりの「U」が、どのようなワーケーション滞在を提供してくれるのか、会員以外への宿泊施設の開放も含めた展開に期待しています。
料金面についても、詳細は今後の開示となるため、「U」の公式ページで最新情報をチェックしてみてください。
総合評価は4.5で、車が無くても、小田急線やJRで便利にアクセスできるワーケーション先として、特に小田原方面への移住を考えてみた方々にオススメできる施設です。

都会と地方の中間に位置する移住先・小田原

人口減少が進む神奈川県の県西エリアにあって、小田原市はコロナ禍以降に「人口の社会増※」を達成した数少ない市町村の1つです。(※人口増減には、出生・死亡よる自然増減と、転居などによる社会増減がある)
この「ちょっとした移住ブーム」の只中にある小田原市の西部、真鶴町との境界に位置する根府川は、小田原の持つ多彩な魅力の一端を感じることができるエリアとして、「U」のオープンを機に、少しずつ知られてゆくことになりそうです。

今回のイベントでは「コロナをきっかけに暮らし方を見つめ直し、小田原に移住してきた」という20代、30代の若い世代が多く参加していました。
今後は、彼らが受け入れ側となり、都内や横浜方面からワーケーションに来る人々と地域との触媒としての役割で関わってゆくことで、これからも小田原への移住の流れが続くという予感を感じる滞在となりました。

都会と地方の中間に位置する小田原市が、神奈川県内における独自のポジションを確立し、「自然」や「美味しい食」や「顔の見える交流」を大切にしたいと考える若い世代の移住先として認識され、選ばれ続けてゆくよう、これからもワーケーションという地域への入り口を通じて、彼らの取り組みを応援してゆきたいと思います。我々は