箱根小涌園 天悠 ~温泉と自然と芸術に癒やされる極上ワーケーション~

箱根十七湯」と言われる通り、多くの温泉場と泉質の豊富さを持つ箱根エリアは、神奈川県の宝とも言える観光地です。
今回は、独自のワーケーション企画を積極的に提案されている「箱根小涌園 天悠」に体験取材してきた様子をお届けします。

片道2時間で行ける極上温泉

小田急ロマンスカーやJR東海道線で、小田原を経由して箱根湯本まで約1時間、さらにそこから箱根登山鉄道とバスを乗り継いで、目的地の箱根小涌園まで、横浜駅からだと約2時間弱。
2017年4月に開業した天悠は、小涌園でも一番の高台にあり、周囲を山と森に囲まれた非日常空間を提供してくれるハイクラス温泉リゾートです。

一気に日常を忘れさせてくれる空間

取材時はあいにくの雨模様でしたが、エントランスでは美しい生花と共に、スタッフさんたちが明るい笑顔でお出迎えしてくださいました。滞在中に感じたホスピタリティの質も高さも、この温泉宿の「格」にふさわしく素晴らしいものでした。

落ちついた雰囲気のロビーの外には箱根の森が広がります(ホテル提供画像より)

ワーケーションにオススメの最上階客室

事前のメールのやり取りも、天悠の広報担当スタッフさんが丁寧にご対応してくださり、ワーケーションにオススメという「最上階客室」に2名で滞在させていただきました。

最上階客室の室内(公式HPより)

全150室のすべてに専用の露天風呂が設置されていて、いつでも好きなタイミングで温泉を楽しめます。

全客室に温泉露天風呂付き(公式HPより)

個性ある2種類の露天風呂

建物の5階と6階の大浴場は男女で日替わりで楽しむことができ、また外湯として「元湯 森の湯」もあるため、タイプの異なる3つの露天風呂を満喫できます。今回は1泊2日の短期滞在でしたが、それぞれの良さを体験することができました。

天悠がほこる2種類の露天風呂(公式YouTubeより)

最上階客室の宿泊料金は、1室2名の1泊2食付での1人分が「39,600円~」ですが、現在は「神奈川県民限定宿泊プラン」として、同じく「29,700円~」での利用も可能となっています。

テレワーク環境には改善の余地

室内にあるのは円卓と座椅子のみのため、ノートPC作業用に「テーブルクッション」が借りられます。

丸テーブルと座椅子のみ

テーブルクッションを実際に使ってみましたが、お風呂に入ったあとの火照った体では足に熱がこもり、キー入力で揺れるため不安定で、作業には適さないと感じました。
また大画面テレビにHDMIで接続してのZoom会議も、実際にはカメラの画角が悪くなるため、客室内での本格的なテレワークには課題が残ると感じました。

また1階にある営業停止中のバーラウンジが、コワーキングスペースとして開放されており、こちらも利用してみました。

窓からは中庭の緑が目に優しく、ときおり鳥のさえずりも聞こえる空間の価値は非常に高いと感じました。
しかし残念ながらこちらも、ローテーブルとソファのラウンジ設備のため、長時間の本格的なPC作業には適さない印象です。
まずこのラウンジスペースに、PC作業用のデスクとチェアを1セット設置するだけで、ワーケーターの仕事の生産性は確実にアップすると思います。書斎風のインテリアにすれば、この高級感ある雰囲気を壊さず、また大きな追加投資も無しでできる対策として、今後の改善に期待したいところです。

また、このラウンジからエステスパに続く渡り廊下には、外に出られる三角形の展望スペースがあります。ここにテーブルとイスを設置できれば、森の木々と流れる水のせせらぎを感じながら、ちょっとした気分転換に適したワークスペースになると思いました。

サウナの訴求に可能性あり

今回の滞在で、ワーケーターに来てもらえる可能性がある施設として、サウナに注目しました。
2つの大浴場にはそれぞれ、本格的なサウナ水風呂があり、露天風呂には外気浴が可能なスペースもあるため、温泉と共に大きな魅力であるにも関わらず、ホテルのサイトなどでもほとんどアピールされていません。

広く清潔感のあるサウナは魅力的

ゆっくり温泉もいいですが、仕事の合間にリフレッシュしたいときにサウナは最適ですし、ロウリュウサービスなども実施すれば、サウナと温泉と自然の中で過ごすワーケーションを希望する方々が、リピーターとして訪問してくれる可能性があるのではないでしょうか?

芸術に触れてマインド・リセット

箱根には別の魅力として、美術館が多く点在することがあげられます。今回も滞在中に、天悠に隣接する「岡田美術館」と、少し離れた仙石原地区にある「ポーラ美術館」をじっくり楽しんできました。

ポーラ美術館は、自然に抱かれた建築様式も楽しめる

自然豊かな箱根の森の中で、日本や世界の絵画や陶磁器などの芸術品を鑑賞すれば、新たな着想を得られるマインド・リセットの機会になるかもしれません。

最高級の芸術作品が並ぶ岡田美術館

箱根小涌園 天悠の施設レビュー

最後に今回の体験を星5段階で評価します。

箱根小涌園 天悠のレビュー
立地条件・アクセス
 (4)
デスク・チェア環境
 (3)
WiFi/ネット環境
 (5)
設備充実度
 (5)
コストパフォーマンス
 (3)
バケーション的な魅力
 (5)
総合評価
 (4)

今回は、デスク・チェア環境について、コワーキングスペースの改善を期待して、星3つとしました。今後の改善に期待しています!

温泉リゾートに仕事を持ち込む理由

ワーケーションの話題としていつも出るのが「このような素晴らしいリゾート環境に、なぜ仕事を持ち込むのか?」という疑問だと思います。もちろん、仕事を完全に忘れて長いバケーションを楽しめる方であれば、そのほうが理想的だと思います。しかし現実は、1泊2日の週末旅行が精一杯で、土日に需要が集中するため、料金は高く、施設は混んでいて、本当の良さを楽しむ余裕が持てない方がほとんどなのではないでしょうか?

往復4時間近くをかけて箱根に来るのなら、できれば2~3泊は滞在して、ゆっくりと楽しみたいところです。
そのためにも平日に休暇を取れるように、どうしても外せないビデオ会議や、重要なメールの処理などの業務を「部分的」に休暇の中に持ち込むことで「Work in Vacation」としての滞在を楽しめるような旅のスタイルを選べることが、ワーケーションの魅力の1つだと私は考えます。

次に箱根を訪れるときには、同行者の理解も得ながら、平日も入れた日程でのワーケーション滞在を検討されてみるのはいかがでしょうか?