会社員が「ワーケーション」を実践するまでの「4ステップの自己投資」とは?

私はワーケーションを実践する最大の価値は「普段は知り合えない人々との出会い」だと思っています。
大手電機メーカーに勤務していた会社員時代、世の中に「ワーケーション」という言葉が広まるずっと前から、私は機会があれば様々な場所でこのライフスタイルを実践してきました。
それは本業の出張ついでの「ブレジャー」の場合もあれば、副業(投資)として学んできた不動産大家業の物件探しなどの場合や、家族が経営する事業の手伝いでという場合もありました。行き先も神奈川県内のほか、沖縄などの他の都道府県、海外でのワーケーションもたくさん経験してきました。

その後、横浜で独立起業し、自身の事業立上げや若者の起業支援をする中で、「ワーケーションを通じて出会った人々」から多くの刺激を受け、事業アイデアを頂き、またかけがえのない心のつながりを感じる時間を過ごさせていただくことができています。
(トップの写真は、ヒルトン沖縄北谷リゾートでのワーケーションの様子です)

東京オリンピック終了後には、コロナ前のように大都市のオフィスへの出勤が復活しそうな雰囲気ですが、在宅テレワークを経験した若者たちを中心に「通勤はシャドウ・ワーク(無報酬労働)だ!」という意見も聞かれます。
そこで今回は、会社員として働く方々に向けて、私がワーケーションを楽しめるようになるまでに実践してきた「4ステップの自己投資」についてご紹介してみたいと思います。

【ステップ①】在宅テレワーク勤務への投資

最初のステップは「本業の勤務時間と人間関係をできるだけ効率化して余白を生み出す」ことです。それにはまず、在宅テレワークのためのデスク環境やインターネット通信設備を整え、自身の生産性を高めるための投資が不可欠となります。

こちらの写真は、現在の私の自宅のテレワーク環境です。
ノートPC「VAIO Z」をスタンドに載せ、外部キーボードとマウス、Zoom会議用のLEDライトをセットしています。その右側に4K外部モニタ、左側にBDレコーダーとテレビの他、音質の良いワイヤレスヘッドセットも準備することで「対面よりも効率よく業務をこなせる環境」を会社員時代から整備していました。

またチェアは取材記事でもご紹介しているオカムラ製の「コンテッサⅡ」、デスクは立ち上がって作業も可能な電動昇降式の「パブロ2」です。少し高額になりますので、ショールームやお試し利用ができるホテルなどに滞在してみて、自分の体に負担のかからない形で業務を続けられる設備への投資を検討してみてください。

横浜ベイシェラトンホテルでワーク・ステイケーション ~高級デスク&チェアが体験できる横浜ワーケーション~

このように、まずは自宅のテレワーク環境を整え、本業の関係者に「オフィスに行かなくても高いパフォーマンスを出せる」ことを示すことで、「通勤」と「休憩時間」というシャドウ・ワークの時間を減らし、自分自身のための「余白」の時間を捻出できるようにすることが最初の一歩となります。

【ステップ②】近隣のコワーキングで「出会いの練習」

次に、ワーケーションをするときに重要な「素敵な人と出会うためのスキル」を磨く練習として、自宅の近隣のコワーキングスペースや、会社の指定する他社と混在のサテライトオフィスなどでの勤務にチャレンジしてみましょう。
実践に際しては、自社のテレワーク規定をきちんと確認し、上司や同僚とも調整した上で、情報セキュリティや社内ルールへの配慮が必要です。

単に快適なテレワーク環境が提供されるだけでなく、こちらの記事でご紹介している「WeWork」のように、入居する様々な大企業やスタートアップの社員、経営者やフリーランスの方々との出会いや交流も期待でき、それが自身の本業や副業のチャンスと発想を広げてくれるような場所を選んで、時間と利用料を投資することが重要です。

横浜・みなとみらいでワーケーションとは!? ~女子大生記者のWeWork利用体験記~

とはいえ、こういう場で隣に座った見知らぬ人に「どんなお仕事してるんですか?」と声をかけられる日本人は少ないはず。まずはその場所の「コミュニティマネージャ」に話しかけてみて、軽い雑談の中から自分の属性と知り合いたい人の希望を伝え、出会いを演出してもらう努力と勇気も必要になります。

「massxmass関内」で本を片手にお散歩ワーケーション ~働く・遊ぶ・暮らすが隣接する「馬車道・北仲」~

また、自社のロゴが入ったTシャツや上着などを着て、その場にいる誰かに声をかけてもらうきっかけを作ってみるのも良いかも知れません。その場合、自社の内部をよく知っておくことが重要で、他の事業部の事業内容や新しいプレスリリースなどはこまめにチェックして、どのような話にも対応したり、社内の関係者を紹介したりできる情報収集力が必要になります。(機密情報の取り扱いには十分に注意しましょう)

WeWorkで毎日「アイカサ」のロゴ入りTシャツを来ていた頃は多くの出会いがありました

このような「出会いを自ら演出する姿勢」を持てない限り、ワーケーションに行っても「ただ景色がきれいな観光地でいつもと同じ仕事をした」というだけで、本当に価値ある「現地での人との出会い」という醍醐味を味わうことなく終わることになるでしょう。

【ステップ③】ご近所ワーケーションで「セレンディピティー」を生む

ここまでできれば、もうあなたはワーケーションに行く準備は整ったと思います。
まず練習として、地元の都道府県内で「ご近所ワーケーション」を実践してみましょう!
地元ですので、ワーケーション先で出会う方との間には地縁があったり、共通の知り合いがいたりと、話題を広げるための共通項も多いはずです。また土日の「お休みモード」の自分ではなく、平日日中の「お仕事モード」の自分として出会うからこそ、本業や副業につながる奇跡的な出会い(セレンディピティー)が生まれる可能性も高まるはずです。

地元でのワーケーションについては、こちらのコラムも参考にしてみてください。

「ワーケーション」と「マイクロツーリズム」と「地元」~”日常”の近くにある”非日常”を楽しもう!~

この場合も、ワーケーション先までの移動交通費や宿泊旅費などは「全額自己負担」が基本だと考えてください。どんなに国が推進しても、地方自治体が補助金で事業をしても、会社がそのような費用まで面倒を見てくれることを期待するのは非現実的です。
ワーケーションはあくまで「自身への投資」であるという意識を持って頂くことが必要だと思います。

【ステップ④】本格的なワーケーションで自立したライフスタイルを!

ここまで準備してようやく、念願の「行きたい場所での本格的なワーケーション」が実践できるようになります。
行き先には、今後、自分が関わっていきたい地域や、二拠点生活から移住も視野に入れた候補地などを選ぶのが良いかと思います。通常は国内でになるかと思いますが、状況が許せば海外でのワーケーションも夢ではありません。

ここまで来たあなたはきっと「給与所得者」の視座ではなく、副業・複業も含めた自立的な生き方が見えてきていると思います。
ぜひこちらのコラムも参考に、ワーケーションを通じて、自身の今後のキャリアを見つめる機会を持って頂けると良いかと思います。

旅が仕事になる「副業ワーケーション」で、自分の人生の経営者を目指そう!

会社員が、自身の事業活動で発生する「必要経費」に投資するという「経営者目線」を持つことができれば、ワーケーションを「仕事」としてフル活用ができるようになるでしょう。
ここまで来れば、あなたも「プロのワーケーター」です。ぜひワーケーションを通じて、素敵な人々に出会い、美しい風景や美味しい食事、その土地でしか得られない刺激を満喫して、ご自身の未来の可能性を切り開いてください。

これからも我々「神奈川ワーケーションNavi」は、そんな自立的に生きるワーケーターに役立つ情報を、徹底的に利用者目線で取材して発信してゆきますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします!